フェイク!6章_1

企画!トマト会議っ!


「それは…もう家族会議開くしかないんやない?!」
スペイン宅からイタリアの自宅へ戻ったロマーノがまずしたのはベルギーへのメールだった。

内容は…おそらくベルギーの所にも行ったであろう結婚報告の葉書の確認から始まって、フランス達4人が夜中に不法侵入した事件、そして今日ロマーノが体験した出来事全てだ。

もうすぐEU会議なため、主にフランスあたりのセクハラからイギリスを守るのに協力を得られれば…という、無駄に燃え上がったロマーノ100年に一度の使命感だったわけだが、何故かベルギーはベルギーで盛り上がっている。

即電話が来て第一声が文頭の言葉だ。

家族会議?トマト一家のだよな?
脳内に浮かぶはてなマーク。
なぜそこで家族会議?と聞き返すと、ベルギーは当たり前に

「うちだけやなくてお兄ちゃんも巻き込んだら効果的やんっ」
と、弾んだ声が返ってきた。

そこでロマーノはふとベルギーの兄、オランダの不機嫌な顔を思い浮かべる。

昔ロマーノと共にスペインの保護国だったベルギーとオランダ。

その中でベルギーとロマーノは元々親スペイン派で国的にもスペインとは友好を保ちつつ現在にいたっていて、何かあると実家のようにスペインの家に遊びに行くが、オランダは違う。

スペインの支配下にあった時から何かにつけて揉めて、ベルギーのために同行することはあっても、好んでスペインと絡もうとはしない。

今回のイギリスに関しても、スペインの極々個人的な結婚なので、関わらせることは難しいのではないだろうか…。

そういうロマーノにベルギーはきっぱり
「大丈夫やっ!うちに任せたってっ!!うちの今後の明るい生活もかかっとるさかい、絶対に連れてくわっ!」
と、何故か意味ありげな発言と共に請け負った。

「そういうことで、親分にスケジュール確認しといてな、ロマっ。うちはこれからお兄ちゃん丸め込みに行くさかいっ!」

ガチャっとそこで慌しく切られる電話。


「…もしかして……俺何か失敗したのか?」

ツーツーという電話の音を聞きながらロマーノは若干青くなる。

丸め込む?丸め込むって何を?オランダを?どうやって??
不穏な気配を感じながらも、動き出してしまったからにはここで停滞させてもしかたない。

ロマーノは再度メーラーを開くと、今度はスペインにスケジュール確認のメールを打ち始めた。



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