オンラインゲーム殺人事件_ユート_12章

真犯人は……(25日目)


ということでアオイとの通話を切る。
コウに電話かけたいとこだけど、毎朝5時起きって聞いた気するからこの時間はたぶん寝てるだろうな。
しかたなしに俺も就寝。
なんだかなかなか眠れなくて寝付いたのが遅かったのもあるし、夏休みという事もあって目が覚めると昼。
昼飯食って午後1時過ぎ、コウに電話してみた。



「もしもし、コウ、夜中送ったメール見てくれた?」
つながって即言う俺の言葉にコウがちょっと焦った様子で
「ちょっと待ってくれ。場所変える」
と言う。
まあ…その後ろで、なんつ~か…
「お電話ですか~?私の方が席外します~?」
と、思いっきり可愛い声が聞こえるんですが?
それに対してコウが
「悪い、そうしてもらえるか?」
と声をかけてる。
「は~い♪じゃ、下降りてますので内線で呼んで下さいね~♪」
とそれに対してまたおっとりぽわわ~んとしためっちゃ可愛い声。
もうなんつ~か…ヒロイン役の声優みたいな感じ?
声聞くだけでもう思いっきり美少女なんだろうなってわかる気がする。

「ごめん…彼女とデート中だったり?」
「いや、勉強教えてた。なんというか…絶望的に勉強が…な…」
俺の言葉にため息をつくコウ。
予想通り出来過ぎ系じゃなくて、ふわふわ癒し系なわけね。
まあ…でも幸せじゃん。あんな可愛い声毎日聞いて過ごしてるわけだから。
コウなんてどうせ大人になったら甲斐性あるだろうし、彼女の方が多少勉強できなかろうが全然無問題だよな。
ちきしょ~!早く事件解決してアオイと会いたいぜ!
って、それで思い出したっ!コウに意見聞こうと思って電話したんだっ。

「んでさ、話元に戻すと…あのメールの後にエドガー殺されたってどう思う?」
俺が切り出すと、コウはきっぱり
「アゾット黒幕。」
と断言。
しかもさらに俺が思ってもみなかった見解を披露してくれた。

「おそらく…ショウが殺されたあたりでイヴの中身も変わってるんだと思う。
あのあたりでガラっと人柄変わったのはイヴを呼び出して情報引き出した上で殺して、そのIDを使ってアゾットが雇ったかなにかした奴がイヴを操作してるからだ、たぶん。
メグが殺された時刻にアゾットもイヴも普通にインしてるように見えたのは一人二役で操ってたんだろうな。それでメグ殺しのアリバイも崩れる。
アゾットの単独犯だと1億取るの無理だがイヴもグルなら加減してアゾットに1億取らせる事もできるだろ。
イヴに関してはディスク送った相手は三葉商事の方で把握してるわけだから、イヴキャラで魔王倒しても別人が操作してる限り1億は操作してる奴には入らないし、アゾットに取らせて分け前もらうしかないわけだから裏切れない。
んで、エドガーはイヴかアゾットかどっちかの単独犯だと思ってどちらかに忠告したんだが、実はグルだった二人に殺された。そんなとこか」
うあ…おいおい、そんなとこまでわかってたのかよっ…。
…やっぱり頭の出来が違うのかねぇ…。
つか…下手に自分で動こうとしないでこいつに情報だけ流しておくのが正解?
「なんでそこまで情報わかってて言ってくれないんさ?」
情報…共有しようとか言ってなかったっけ?と思って聞くとコウはこれにもきっぱり
「情報じゃない。証拠があるわけじゃないから想像にすぎない。状況から推測できる範囲で推測してみたが、あまり不確実な状態での見解をだだ漏らしすると混乱するだけだろ。今回はエドガーが殺されたことで俺ら以外に複数で行動してるアゾットとイヴが犯人な可能性かなり高くなったしな。」

「んじゃ、とりあえず…アゾットとイヴは警戒かな」
「そうだな…んじゃ、そんなとこか?まだ何かあるか?」
ま、彼女待たしてるみたいだし、これ以上特に急ぎの用もないからこの辺にしとくか。
「いや、さんきゅ。で…ちなみに…すごく緊急じゃない場合ってさ、電話するんだとどの時間帯が都合いい?
いつも彼女ん家何時くらいまでいるん?」
一応…今までメール中心だったから気にした事なかったけど、これからはだいぶ事態が進んできた気がするし電話の方がいい気するから時間は気にした方がいいよな…と思って聞くと、コウはちょっと考え込む。
「ん~毎日10時半くらいから午後7時半くらいまではこっちいるから…朝5時くらいから10時くらいだと自宅に一人でいる。」
おい…それほとんど入り浸ってるって言わないか?
なんつ~か…余裕だなぁ、コウ。
俺やアオイが殺人事件でオタオタしてる時に普通に彼女と過ごしつつ、ちゃんとこれだけの情報整理して推理進めてんのか…。
はあ……うらやましい……。
俺なんかエドガー殺された事で結局アオイにリアルで会える日遠のいたし……。

しかも夜、とりあえずこれからはアゾットチェックかなと思ったら…今日に限ってアゾットは姿を見せない。
もう色々が肩すかしですよ?
泣けるね…。


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